最高裁判所第一小法廷 昭和26年(あ)1035号 決定 1952年6月12日
本籍並住居
京都府宇治郡東宇治町字莵道二六番地
農業
古村キヌ
明治四一年一一月一四日生
右に対する殺人被告事件について昭和二五年一〇月一九月大阪高等裁判所の言渡した判決に対し被告人及び原審弁護人竹田直平から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人竹田直平の上告趣意について。
論旨は原審において主張も判断もされていないところであるばかりでなく所論犯罪の経緯、動機を記載した起訴状は所論刑訴の規定に違反するものとは認められないから、憲法違反の主張はその前提を欠き論旨は結局単なる訴訟法違反の主張に帰し刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四一四条三八六条一項三号により主文のとおり決定する。
この決定は、裁判官全員一致の意見である。
(裁判長裁判官 沢田竹治郎 裁判官 真野毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎)